春なのに

春なのに

アイドルシンガーの枠を超え、さらなる成長を見せた1983年リリースの6作目となるオリジナルアルバム。全ての収録曲をシンガーソングライターの中島みゆきが提供していることで話題を集めた。中でも先行シングルの「春なのに」は、切ないメロディラインと愁いを帯びた歌声が共感を呼び、大ヒット。柏原芳恵の代表作となるとともに、卒業ソングの定番として長きにわたり愛されている。「わかれうた」や「あした天気になれ」といった人気曲では、オリジナルバージョンの良さはそのままに自身の体験を重ねるように歌い上げ、アーティストとして着実に歩み始めたことをアピール。ロック調の「ボギーボビーの赤いバラ」や壮大なバラード「夜曲」といった楽曲では豊かな表現力で独自の世界をしっかりと作り上げた。中島作品で自信をつけた彼女は、歌謡曲とニューミュージックの境界線を意識することなく、より多彩な活動を展開。そのきっかけとなった本作は、キャリアの中でも重要な位置を占めている。

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