Keane、Mika、Adele といったアーティストを輩出したことでも知られる、イギリス・ポップ・ミュージック界の登竜門「BBC SOUND」にノミネートされた3ピース・バンド、Two Door Cinema Club。北アイルランドを拠点に活動する彼らが結成以来したためた楽曲群を詰め込んだ、渾身のデビュー・アルバムがこの「Tourist History」だ。代表曲 “Something Good Can Work” がフランスの人気レーベル Kitsune のコンピレーション「Kitsune Maison 7」に収録されたことからも分かるとおり、彼らは単なるギター・バンドではなく、Daft Punk や Hot Chip を参考にしたというクラブ対応のダンス・ビートを多用することもその特徴で、そのビートと “青春” という表現を避けることができないほどにエバー・グリーンなメロディとの組み合わせが、なんとも切なく素晴らしい。これが “ドラマー不在のままでバンド活動を始めたことによる副産物” だという事実は、音楽が持つ魔法を解く手がかりの1つなのかもしれない。