KOIZUMI IN THE HOUSE

KOIZUMI IN THE HOUSE

「63分50秒のACID MUSIC!」というコピーを掲げた、1989年リリースの意欲作。プロデュースは小泉今日子だが、制作面では半数の作詞作曲とアレンジに参加した近田春夫の意向も大きく働いたようだ。その近田が書いたヒットシングル「Fade Out」はハウスミュージックへの接近が話題になった曲で、この1曲目から続く近田ワールドはハウス歌謡路線が基本ライン。彼が手掛けた5曲のうち2曲では自身が率いる人力ファンクバンド、ビブラストーンを起用している。さらに2曲ずつ提供した井上ヨシマサとピチカート・ファイヴの小西康陽もアイドルポップとしては際どい表現や不安定な心理の描写に挑んでおり、全体を通じて彼女の本音や私生活の裏側の独白を聞くかのようなスリルが潜む。最後を締めくくる1987年のヒット曲「水のルージュ」はハウス的なリミックスによって見事に解体されている。音作りと詞のアイデアにおいて歌謡曲としては非常に画期的だったこのアルバムは、小泉今日子が並のアイドルではないからこそ作りえた作品だ。

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