重厚な「時のないホテル」からわずか半年のインターバルでリリースされた本作は、前作とうって変わって古き良き時代のアメリカのエッセンスを詰め込んだ、ポップさに満ちた作品であり、ユーミンブランドのイメージを作り上げた。この前年にリリースされたポータブルカセットプレイヤー、ウォークマンの大ヒットと共に、アウトドアで好きな音楽を聴く時代へと移行。レコードでは、A面は夏、B面は冬のリゾートを意識して制作された本作は、圧倒的な支持を得ることに。日本ではまだ定着していなかったクリスマスソングを一般化させた"恋人がサンタクロース"、独特の軽妙なヴォーカルスタイルが完成した"サーフ天国、スキー天国"、岡田眞澄とのデュエットで大人の恋を語る"恋人と来ないで"など、ウインターサイドの楽曲が人気だが、バブルガム感満載の"彼から手をひいて"など、須藤薫のコーラスもさえるアッパーな佳曲も特別な魅力を放っている。