ボサノヴァ風のメジャーセブンスコードと流麗なストリングス、ベテランミュージシャンとは思えぬ軽い身のこなしに、「SURF & SNOW」の続編ともいえるリゾートのコンセプトを感じとることができる作品。かつての享楽的なリゾート体験は非現実的なものとなり、より精神的な充足感や解放感が表現された一味違うシンプルかつクールなサウンドがここにある。「SURF & SNOW」は冬と夏をレコードの裏表で表したが、本作では冬のイメージが全体に貫かれており、夏に関しては"Shades of Summer"のタイトル通り、過ぎた夏を思い起こす、というノスタルジックな手法で描かれている。また、数曲で達人マイケル・ランドウの卓越したギターワークが聴かれるのもうれしい限り。時代を読む天才の面目躍如といえる名曲ぞろい。