NIAGARA MOON

NIAGARA MOON

1975年に大滝詠一自らが設立したナイアガラレーベルから最初のリリースとなったソロアルバム。サウンド的には当時彼が着目していたニューオーリンズサウンドの色合いが濃く、そこにユーモアや皮肉の効いた視点が混在する日本語詞が注ぎ込まれ、鮮やかな化学反応を起こしている。ロックンロールとニューオーリンズジャズが合体した「三文ソング」の最後には、大滝の息子の声が。ティン・パン・アレーが強力にバックアップする「論寒牛男」はElvis Presleyになりきってのロカビリー。イーディー・ゴーメのボサノヴァソングをパロディにした「恋はメレンゲ」のポップな味わいや、1990年代にウルフルズが大阪版としてカバーしたことでも知られる「福生ストラット(パートⅡ)」も楽しい。「いつも夢中」ではザ・キングトーンズがバックコーラスを務めたり、「CIDER '73 '74 '75」では炭酸飲料のCMソングを3年分一気に聴かせたりと、どの曲もアイデアと聴きどころが満載だ。大滝独自のミクスチャー感覚が縦横無尽にさく裂したこのソロ2作目は、彼の異色の才能を世に知らしめることとなり、はっぴいえんど時代からのファンも大いに驚いたのだった。

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