Unity - EP

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「今、メンバーと毎日いろんなことをやるのが楽しくてしょうがないです」と、Mrs. GREEN APPLEの藤澤涼架(Key)はApple Musicに語る。2015年のデビュー以降、濃密な日々を駆け抜け、2020年7月8日にフェーズ1を完結させたMrs. GREEN APPLE。その後、彼らはしばしの活動休止期間に入った。大森元貴(Vo/G)は当時を振り返り、こう語る。「先のことは一切決めず、極端に言うとMrs. GREEN APPLEとして走り出すことは2度とないかもしれないという可能性すら見すえて休止に入りました。自分たちに足りないものを考えて、新たなクリエイティブに向かえるまで各々でインプットをしようと」。大森の提案を受け、メンバーたちの模索が始まった。若井滉斗(G)と藤澤涼架は驚いたことに、2人で共同生活を始めたという。藤澤は言う。「バンドを引っ張ってくれる元貴に対して、自分たちは力不足かなと思うこともあった。だから2人で互いを見つめ、そして自分を見つめ直すためにそれが必要でした」 各自が生活環境から自身を見直し、ボディメンテナンスやダンスレッスンを含め、広い視野でエンターテインメントの強化に取り組み、1年8か月がたった。そしてバンドは、大森、若井、藤澤の3人体制で、2022年春にフェーズ2として活動再開することを決めた。そのスタートを飾ったナンバーが「ニュー・マイ・ノーマル」だ。この曲に込めた思いを大森はこう語る。「僕らもまた走り出すとなるといろいろ不安でした。そこで『よし、やるぜ!』と意気込むより、今までとこれからに対してみんなに『ありがとう』の気持ちを素直に伝えたかった」。3人は久々のレコーディングに臨んだが、若井は「正直、かなり手こずりました」と打ち明ける。「自分に納得がいかず、時間がかかりすぎて迷惑かけて、泣いたりもしました(笑)。それだけギターに対してのこだわりが強くなったんだと思います」。藤澤が言葉を続ける。「大変だったけど、バンドで音を鳴らす喜びを感じました。みんなで制作して、レコーディングして、ファンのみんなに音楽を届けるという、その一つ一つがすごく楽しくて幸せだなって」 そこからミニアルバム『Unity』が完成するまでに多くの時間は必要なかった。ソングライターの大森は次々と曲を書き下ろし、3人で形にしていった。大森は自分の中にも変化を感じていたという。「僕は高校生の頃から形あるものはいつかなくなるということを歌ってきたけど、バンド編成が変わったり時代の情勢を見たりして、本当に永遠なんてないんだということを実感した。それを一人の人間として経験したことで、やっと心と身体のバランスが取れてきた感じがします」 今作には新たなコラボレーションも収められた。彼らはこれまで、井上苑子や坂口 有望ら女性シンガーと印象的な共演曲を発表してきたが、今回は「ブルーアンビエンス」で21歳のシンガー、asmiを迎えた。大森は言う。「asmiちゃんは高校生の頃に僕らの曲をバンドでコピーしたことがあるらしくて、僕らの当時からの歩みをちゃんと分かってくれている。それがすごくうれしかったです。この曲はテンポが速くて、asmiちゃんと僕が餅つきのように声を重ねるんですけど(笑)、彼女の少し気だるい歌声が青春の焦燥感をとてもよく表現してくれて、素晴らしいボーカリストだなと思いました」 美しいファルセットボイスが印象的なラストナンバー「Part of me」では、“疲れたこの脚でどこまで歩けるか試してみたい”と歌う。この『Unity』は言うなれば、Mrs. GREEN APPLEの第2のデビュー作。新たなフェーズを歩き出した3人は、少し大人びた表情で同じ未来を見つめている。

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