10代で登場し、大人びた世界観とメロウなサウンドで早熟な才能を発揮したchilldspot。4人はこの3作目のEPで、これまでのシックな雰囲気から一旦抜け出し、はだしで駆け出すような無邪気な表情を見せる。恋に落ちていく瞬間の衝動を表現する「Like?」や、楽しく感じることに飛び込もうと歌う「Sailing day」など、軽やかな足取りで新たな世界へ向かっていくみずみずしい感覚を、跳ねるようなリズムで生き生きと表している。ドラムを強調したサウンドで“Don't kill my vibe”と歌う「BYE BYE」は、かつてないほどアップテンポのナンバーで、語尾を跳ね上げて発声する比喩根（Vo）のボーカルスタイルも新鮮に感じられる。そんな曲の出だしが“私今バラードを聞いているの”というフレーズであるところに、chilldspotらしいひねりも効いている。自分たちらしさを保ちながら、ひときわポップなサウンドを奏でることで、彼らの新しい可能性を切り開いた全5曲。