ベストアルバム『To Redefine / To Be Defined』を挟み、2年9か月ぶりにして新体制初となったオリジナルアルバム。数年来の盟友であるプロデューサー、Kris Crummettの米オレゴン州ポートランドにあるスタジオでレコーディングが行われ、パワフルなバンドサウンドと肯定的な歌詞が混然一体となった楽曲が次々にあふれ出す。シングル曲「Win / Lose」や「Papersky」をはじめ、爽快な疾走感を描く「Drive Far」や、熱いコーラスワークで不安感を跳ねのける「Hopelessly young」にも、苦悩の季節をくぐり抜けてつかみ取ったメッセージが息づいている。また、“憎しみに満ちた過ち”という意味のアルバムタイトルをくむように配置された厳かなインストゥルメンタルの2曲と、フィナーレを飾る壮大なロッカバラード「Prayer」は、分断といさかいにまみれた時代の疲弊した人々を優しくなだめ、新たなビジョンを提示してくれるかのようだ。美麗なアコースティックサウンドやデジタルエディットも駆使した多彩なアイデアが、一つの大きなテーマの下に熱量高くまとめ上げられている。