Ammolite

Ammolite

「アルバムとしては2017年の『So far』ぶり。僕たちのいろんな面を見せられるアルバムという曲数のものが出せて本当にうれしい。ようやく僕たちの最新の名刺ができました」。Omoinotakeの藤井怜央(Vo/Key)はメジャーデビューアルバム『Ammolite』についてApple Musicに語る。タイトルの“アンモライト”とは、宝石化したアンモナイトの化石を指す言葉。そこに込めた思いをベースの福島智朗が続ける。「化石のアンモナイトが長い時間を経て、虹のように光輝く宝石に変わる。このアルバムもリスナーの皆さんの胸の中で、時間の経過とともに聴こえ方が変わりながら、ずっと楽しんでいただけるものになればいいな」 Omoinotakeは作詞を福島智朗、作曲を藤井怜央が手掛けることが多く、今回も全曲その手法を取った。「自分たちにとってすごくバランスのいい作り方」と藤井は言う。「制作方法としては詞が先行するパターンと、メロディ先行のパターンが半々くらい。僕がメロディ作りに煮詰まっている時にエモアキ(福島)から素晴らしい詞が送られてくると、それにいいメロディを付けたいと思って一歩進めることも結構あって。バンドとして助け合っている実感があります」。相乗効果を生む曲作りの一例として、藤井は「渦幕」を挙げる。「この曲はメロディ先行で、サビの裏声で歌う部分を最初でたらめな英語で歌っていました。その時、母音の“い”を多用していたんですけど、それを聴き込んだエモアキが“嗚呼 哀しい だけど 愛しい”と、“い”の響きを生かして歌詞を書いてくれた。そうやって大事なポイントをお互いに察知することで、一体感のある楽曲が作れているのかなと思います」 さらに藤井は制作面において「自宅の防音室で歌入れをするようになったことが大きな変化」だと話す。朝起きて発声練習をして、すぐに歌入れができる環境は、生活リズムが朝型の彼にとってベストな環境だった。「家で時間をかけて歌入れできるようになったことで、より気持ちを込めて歌えるようになりました」。自分たちのスタイルをしっかりと築き、じっくり作り上げた11曲。ここからは藤井と福島に、いくつかの楽曲を解説してもらおう。 Blessing 藤井怜央(以下 藤井):僕はもともとドラムをやっていたこともあり、アレンジを考えるときはビートから思い付くことが多いんです。この曲のサビはクイーンの「We Will Rock You」のようなリズムがはまりそうだなと思い付き、そこから音数は少なめにして、コーラスは厚みを出そうといった発想が生まれました。 EVERBLUE 藤井:2021年にリリースした曲で、共同プロデューサーとして蔦谷好位置さんが参加してくださいました。メジャーのフィールドに来て蔦谷さんをはじめいろんなアレンジャーの方と一緒に制作したことで、自分たちのレベルアップにつながった。その経験を基に自分たちだけのアレンジで完結できる曲も増えてきました。 One Day 福島智朗(以下 福島):2020年のコロナ禍に発表した曲ですが、当時と2023年の今では聴こえ方が違う。そこがすごく“Ammolite的”だなと思います。 Ammonite 福島:アルバムタイトルを決めた後で、最後のピースをはめるように書いた曲です。いろんな角度から見るといろんな色に見える“構造色”をモチーフにしていて、ジャケットのアートワークでもそれを表現しました。歌詞を書くときは光景がパッと頭に浮かぶ表現を心がけることが多いのですが、この曲は概念的な書き方をしていて、こういう表現ができるのもアルバムならではだなと思います。 渦幕 藤井:ドリルミュージックのビートを取り入れてみようというアイデアから始まった曲です。サビはジャージークラブのリズムを取り入れたストイックなアレンジだったんですけど、ドラマの主題歌になるのでもう少し華やかさが欲しいという意見があり、J-Pop的なストリングスを加えました。そんな風に自分がまずやりたいと思ったビートを軸に置き、どんどんポップな要素を融合させていくアレンジ方法を取ることも多いです。 トートロジー 福島:トートロジーとは、同じことを表す言葉の無用な繰り返しのことで、この曲の歌詞でいうと“僕は僕”とか“君は君”がそれにあたります。そこから着想を得て、誰かのことを何回もきりがなく考えてしまうこともトートロジー的だなと思って。いなくなってしまった人は記憶の中でどんどん美化されていって、人間はそんなことをしてしまう生き物だよねという思いを込めています。 心音 福島:もともと僕はすごく幸せなビジョンを歌詞に書けるとは思っていなかったんです。でもこの曲を書いた時に「書いてもいいんだな」と思えたし、さらに「いい曲だね」と多くの人に言ってもらえて、すごく気持ちを引き上げてもらいました。大事な一曲です。

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