迷宮的で美しい世界が広がる1991年リリースの6作目のアルバム。シングルとしてもヒットを飛ばした「スピード」は、キャッチーで骨太なロックでありつつ、そのサウンドは極彩色のサイケデリックなテイストもまとっていて、迷宮の道先案内的役割を果たしている。低音を利かせたボーカルの「MACHINE」やデジタルなノイズがほとばしる「変身(REBORN)」でアクセルを踏み込んでいくが、歌謡曲風のメロディが幻想的でエキゾチックに昇華された「エンジェル フィッシュ」や、多彩な民族音楽が混ざり合ったような「Brain,Whisper,Head,Hate is noise」など一筋縄ではいかない曲も飛び出してくる。ラストの「太陽ニ殺サレタ」に至るまで、感情を揺さぶられる旅路を進むような感覚を覚えるだろう。アルバムを通して、バンドアンサンブルやアレンジ、メロディラインが豊かに調和され、そこに緊張感を与えていくスリリングなノイズやエレクトロな音色、音響がリスナーの探究心をくすぐってやまない。
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- 氷室京介