サーフロックの高速ギターリフと、雷のごときドラミングのコンビネーションが斬新だった先行シングルの "Brianstorm" を筆頭に、Arctic Monkeys がその音楽性をよりヘヴィに、ハードに突き詰めたセカンドアルバム。デビュ―アルバムからわずか一年強と短いインターバルでリリースされたにもかかわらず、本作におけるプレイヤースキルの向上は目覚ましく、筋肉質でタイトなアンサンブルを実現している。テクノのブレイクビーツをほうふつさせるリズム隊がユニークな "Balaclava" や、スカのフレイバーを感じさせる "Fluorescent Adolescent"、メロディメーカーとしての成熟が刻まれた "Only Ones Who You Know" と、新たなアイデアも次々に試された本作は、成長期の渦中にあった彼らのドキュメンタリー的なアルバムでもある。