デビュー15周年を記念してリリースされた、オリジナル日本語訳詞による洋楽カバーアルバム。バックをサポートするのは、東京スカパラダイスオーケストラ、森俊之、塩谷哲、kyon など。取り上げられた曲は、フォー・トップス、ニール・セダカ、ドアーズ、スモーキー・ロビンソン&ミラクルズ、ローリング・ストーンズ、ペトラ・クラーク、レオン・ラッセル、ロネッツ、フォーククルセイダーズ、ピンク・フロイドと、一見「王道」ともいえるセレクトだが、本作の聞きどころは、田島貴男本人による日本語訳詞だ。ほとんどの曲が、日本語訳詞といえばライナーノーツにおける歌の意味を知るための訳詞としてしか流通しておらず、これらが歌うことを前提に訳されたのは初めてだろう。本人のセレクトということもあり、田島個人の思い入れが影響しているのであろうそのアレンジと訳詞には、どことなく郷愁とユーモアが感じられる仕上がりになっている。ニール・セダカやペトラ・クラークなど、 本国でも歌謡界的な曲に加えて、ドアーズやローリング・ストーンズ、ピンク・フロイドなどのロックを田島がどう日本語歌謡調に料理しているかが聞きどころでもある。