PIED PIPER

PIED PIPER

キャリア最高のセールスを記録した「wake up! Wake up! Wake up!」に続く本作も、期待にたがわぬ充実作である。ここ何枚かはオルタナティヴ・ロックのリリカルな部分を自分たちのサウンドに還元してきた感があるが、ここではそうした要素とピロウズ特有のみずみずしさ、気骨とユーモア、そして快活さがナイス・バランスで共存している。真鍋吉明のギターは気持ち良く響き、佐藤シンイチロウのドラミングは軽やかにして的確。そして山中さわおの楽曲はさらに懐を深めている。1曲目のタイトル・チューンには、自分とバンドが向かう方向へのポジティヴな決意が見てとれる。“New Animal”は堂々とした作品でありながら、その狭間で見せる情緒性は山中ならではの人間味をたたえている。彼らの絶妙のバランス感覚こそはバンドの決して短くない歴史を感じる瞬間であり、こんなベテラン・バンドがいてくれることは、すべての世代の音楽好きに勇気を与えるはずだ。

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