情熱CD

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アフロヘアーのインパクトも強い鶴は3人組バンド。その名は埼玉県鶴ヶ島市に由来するなど、とにかく普通とちょっと違うセンスの彼らだが、肝心の音楽のほうでも非凡さを見せている。メンバーは自分たちのルーツとして山下達郎や CHAGE AND ASKA といったポップでメロディアスな日本の音楽を挙げており、このメジャー初アルバムでも、そうした良質なポップ・ミュージックからの流れを正直に表出。とはいえ、ことにサウンド面ではファンク/ディスコのノリも大きく、それも "踊れないtoフィーバー" からもわかるように、ユーモアの感覚まで交えた上で咀嚼している。こうした彼らの演奏力からは、バンドの下地がJ-POPのみならず、そのオリジナルの洋楽までもきちんと吸い込んで養われていることがうかがえる。また、歌のはしばしには、決してカッコ良くない、むしろ不器用な男の横顔が浮かび上がるのも興味深い。彼らは優秀なポップ音楽から、その音楽性の高さだけでなく、人間くささが発露するものとしての影響も受けているのだ。さりげなくハイ・クオリティなサウンドを、気取ることのない、しかも人を泣かせる歌でまとめ上げた新型のポップス。今までありそうでなかった音楽に、鶴は挑んでいる。

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