time and velocity

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この歌声に初めて触れる人は、まるで女性のように、あるいは子供のように透き通ったハイトーンの響きに、まずは驚くだろう。<オールディ ワールディ>は、このアルバム以前には沼田壮平という本名で活動をしてきた男性のソロ・ユニット名。高校時代からアコースティック・ギターの路上での弾き語りを始め、ピアノもマスターしている彼は音楽性の中にフォークのスタイルを保有しており、“Rocking chair” はその個人名義の頃からの楽曲である。そんなメロディアスな感性と歌心がベースに横たわる彼ではあるが、本作のユニークさはジャンルを無視するようなサウンド・センスを奔放に展開しているところ。ローファイ、ヒップホップ、エモ、ギター・ポップ……。弾き語りの一方、バンドでギターを弾く経験も積んできた彼は、ロック・サウンドの肉体性と宅録的な編集感覚も持ち合わせていて、その縦横無尽ぶりは90年代における BECK のような鮮烈さを想起させる。すべてが英語詞で、多くに文学的な筆致が見られるのも神秘的なたたずまいを高めている。その声とストリングスが美しく絡むバラード “melody” のクオリティは、オールディ ワールディが卓越した感性を誇るアーティストであることを強く示している。

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