JUN SKY WALKER(S)のポジティブな魅力がさく裂した会心作。1991年は彼らの人気がピークを迎えた時期で、5作目となるこのアルバムではついにセールスチャートの首位を獲得。特に先行シングルとしてヒットしたタイトル曲「START」はバンドの代表曲の一つで、アッパーなパンクサウンドとともに駆け抜ける前向きなメッセージがすがすがしい。宮田和弥の真っすぐな歌声が響く「メロディー」や、勇ましいギターやピアノを中心にしたスローなメロディで聴かせる「休みの日」といった楽曲も秀逸。アップテンポの「遠くまで」とドリーミーなバラード「チビは寝ている(A DAY IN THE LIFE)」の2曲では松任谷正隆がオーケストラアレンジを手掛け、サウンドを豊かなものにしている。また「僕を灰に」では小林雅之（Dr）が作曲に初めて参加したり、アルバム全体として5分台の曲が増えるなど、音楽性があらゆる面で幅を広げた作品でもある。20代も半ばに差しかかった4人は、ここからさらに変化を重ねていくのだった。