シングルをリリースして、アルバムへというある種のルーティーン化した流れでなく、純粋に一枚のアルバムを作り上げたメジャー4作目。セルフプロデュースによるアルバムで、2010年にリリースした3人の故郷・徳島で制作したミニアルバム『Awa Come』からの、リラックスしたいい流れも汲んでいる。大らかなビートと、自由な発想で物語的に展開するアンサンブルによる「レディナビゲーション」や、ミディアムテンポで遊び心のある音がふんだんに入った「謹賀新年」など、音のユーモアを感じる一方で、「草原に立つ二本の木のように」や「少年のジャンプ」はリスナーへのエールとして軽やかに響く。細やかなアレンジの面白さが詰まっているが、肩肘の張らないしなやかさがサウンドにも歌にも行き渡っているのがこのアルバムらしさ。アコースティック調の「Boyfriend」も新鮮だ。またアルバムとしては、ドラマー高橋久美子が在籍した最後の作品となった。