100S

100S

90年代に孤高の天才としてシーンを揺るがした中村だが、フェス出演のために揃ったバッキング・メンバーと運命的な何かを感じ、6人はそのままパーマネントな “100s” (ひゃくしき)という形に発展。その志の交流を行いながら作り上げたのが、2002年リリースの今作である。そのため、表向きには中村一義の通算4枚目の個人名義作品となってはいるものの、新バンドの事実上のデビュー・アルバムと捉えていい。これまでの中村作品同様、SEやサンプリング、コンピューター音が駆使される場面はあるものの、最も大きな変化はバンド・サウンドへの変貌している点。加えてメロディもウォームでポップな仕上がりとなっており、音楽の風通しが一気に広がったような印象だ。 "Yes" はメンバーのひとりであるキーボードの池田貴史(当時、SUPER BUTTER DOG)との共作曲。作詞面でも、以前の孤独な叫びに取ってかわったように、ヒットした "キャノンボール"、"セブンスター" に顕著なように、気持ちを共有できる相手と出会えた喜びが反映されたものが多い。感動的なロッカ・バラードの "新世界"、そしてクリアーな音像が気持ちいい "ひとつだけ" と続くクライマックスでは、6人全員が手を取り合っている光景が見えるかのようだ。

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