ZAZEN BOYS II

ZAZEN BOYS II

ナンバーガールの突然の解散を受け、向井秀徳は自身のスタジオである MATSURI STUDIO を設立。そして、ナンバーガールでも同じ釜の飯を食ったアヒト・イナザワ、当時 ART-SCHOOL だった日向秀和、ギターに吉兼聡らを迎えて2003年に結成したのが ZAZEN BOYS だ。ナンバーガール最後のオリジナルアルバム 「Num-Heavymetallic」に見られる、極端なまでにデッド感を強調したアルビニの仕事を彷彿とさせもするドラムや、スティーヴ・ハウにも似たコードワークを放棄したギターのアレンジなど、希薄になっていくオルタナ感と加速していくノー・ウェイヴ感、そしてより低くなっていく重心からも、向井秀徳の次なるヴィジョンのサウンドテクスチャーはある程度予感されもしたが、2作目にあたる本作においては、そのデビューアルバムにおける「衝動」がより作品としての豊穣さを獲得していることがわかる。プリセット音の快楽性にフォーカスしたオールドスクール・エレクトロ "ZAZEN BO" で幕を開ける本作は、ノー・ウェイヴの優れたバンドたちがことごとく優れたダンスバンドだったという事実を敷衍するかのように、エッヂィなギターとタフなファンクネスを同居してみせた "Crazy Days Crazy Feeling" や、決して懐古趣味に陥ることなくナンバーガール時代のフィーリングをザゼンヴァージョンに発展してみせた "黒い下着" "Harahetta" "最前線" など、ファーストアルバムにおいて、むき出しのまま転がっていた方法論とも呼べるものが、本作においてはより風景/情景を帯びて聴く者の眼前に迫ってくる。

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