Trigger Happy

Trigger Happy

シューゲイザーすら逃げ出す暴力的なノイズ・ギターを武器にデビューしたかと思えば、ノイズを取り去りストレートでポップなロックンロールを鳴らしたりと変幻自在な活動を見せる MO'SOME TONEBENDER。本作 「Trigger Happy」 はそんな彼らのキャリアの中でも最も異端かつ最大限にラジカルな音楽性を持ったアルバムだ。メジャー・デビュー後にもかかわらず、本作のみ突然インディーズ・リリースとなった点もそれを象徴しているかもしれない。前作 「LIGHT, SLIDE, DUMMY」 でハードコア路線を極めきった轟音ギターは鳴りを潜め、シンセやサンプリングなどのエレクトロニクスが前面に押し出されるという驚きの方向性。それにもかかわらず一聴すればだれもが「これはモーサムだ」と納得する説得力は、これが単に奇をてらったアプローチでないことの証明だ。ジャパニーズ・ロックの先駆者 Friction のカバー “Big-S” も見事オリジナルに昇華。「優れた音楽を作るには第一にどん欲な音楽リスナーでなくてはならない」。我々にそう語るかのように、このアルバムは音遊びをしながら空虚さと暴力性のど真ん中に居続ける。

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