2013年に結成し、一躍東京インディーシーンの注目株となった4人組バンドのファーストフルアルバム。山下達郎や松任谷由実、Fishmans、サニーデイ・サービスといったポップミュージックの先人たちに敬意を込め、ノスタルジックでサイケデリックなロックを奏でる。描かれるのは、殺伐とした時代に都市の混沌で生きる若者たちが夢見る「Paraiso」="楽園"。シビアな現状と暗雲が立ち込める未来を眺めながら、歩みを止めることなく、自分たちの理想郷を求め、生き延びるための逃避行へと誘う。現実と理想、諦念と希望が入り交じった明るくも切ない歌が、2014年という時代の空気を見事に捉えている。