フラワー・チルドレンの街サンフランシスコ。サマーオブラブがもたらしたリベラルな思想と自由闊達な空気感が、スライたちの幅広い音楽的素養を育んだのは想像に難くない。彼らのカタログ中、ファズギターの効いた最もロック的な本作は、そうした多面的なバックボーンと豊かな音楽性が確認できる格好のショーケース。楽器でニワトリの声をまねたコミカルな "Chicken"、ビートルズの "Eleanor Rigby" のフレーズを引用したブラスロック風のファンキーナンバー "Plastic Jim"、途中でジャズっぽいアプローチに急転する "I'm an Animal"、サーカス風のイントロからはじまるタイトル曲など、どれも実にカラフルでサイケデリック。トリックスター、スライの面目躍如といったところだろう。
- 1969年
- Larry Graham & Graham Central Station
- Charles Wright & The Watts 103rd. Street Rhythm Band
- Skull Snaps Meet The Audible Doctor
- アイズレー・ブラザーズ
- ザ・ファイヴ・ステアステップス
- サム&デイヴ