月明りに狂う。
レビュー :
PSHANDY シャンディ
3年。1095日。泣き虫の幼稚園児はピカピカの1年生に、思春期の少年は立派な大人になる年月である。英国はサウスハンプトン出身のロックバンド、トーマス・タントラムの新作"Mad By Moonlight"も前作から実に3年ぶりとなるリリースで、本作において彼らが「ロックバンド」として立派な成長(例えば演奏技術の向上や風格の表出)を遂げたのはもちろんのこと、メンタル面やソングライティング面においても飛躍的な成長を遂げて帰ってきた、そして本作はそんな彼らの圧倒的なクオリティを誇る見事な復帰作である。
前作がおもちゃ箱をひっくり返したような天真爛漫な作品なら、本作は妖美な大人の雰囲気が漂う落ち着きのある一枚だと言えるだろう。その理由に紅一点ボーカル、ミーガン・トーマスの歌声が舌足らずの幼い少女のような歌声から、セクシーな大人の女性のような歌声に変化したことが挙げられる。友達が「これ、歌ってるのってカレンO?」と間違えるほど、お腹の底からひねり出てくるような力強いミーガンのボーカルは彼女のたくましさや大人の女性としての魅力を存分に感じさせるだろう。また、前ドラマーのケン・ロブショウが脱退(パパさんになったから!)したことで全体的にドラミングがタイトになり、フットワークが軽快になったことは彼らが改めて「4ピースロックバンド」であることを実感させる。
他にもエレクトロニクスを大胆に導入したメリーゴーランドのようなトラックやThe Cureを彷彿とさせる清涼感溢れるギターポップトラック、ツアーを共にしたことがあるヴィヴィアンガールズのような疾走するギターサウンドが痛快なトラックなどなど、楽曲のバラエティの豊かさ、アイデアの多さも彼らがこの3年という長い期間で多くのことを学び、立派に成長したと感じさせる理由なのかもしれない。とは言っても、チャーミングでエキセントリックなハチャメチャポップサウンドやギタリスト、デイヴィッド・ミアットの変態オルタナギターサウンド(?)が炸裂するトラックももちろん健在で、前作のファンはついニヤリとさせられるだろう。例えば前作が「太陽の輝き」なら本作は差し詰め「月の輝き」なんて形容できるのではないだろうか。雰囲気こそ妖しくなれど、その「輝き」は全く失っていないのである。
このバンドは大人になっても決して童心を忘れることなく笑顔で、自然体で、全力でロックしていてなんとも微笑ましい。・・・そういえば、前作から大のタントラム好きを公言するリリー・アレンさんは本作をもうお聴きになったのだろうか。まぁ、今はどうやらブルックリンのバンド、カルツにご執心の様だが(笑)
月明りに狂う。
レビュー :
PSHANDY シャンディ
3年。1095日。泣き虫の幼稚園児はピカピカの1年生に、思春期の少年は立派な大人になる年月である。英国はサウスハンプトン出身のロックバンド、トーマス・タントラムの新作"Mad By Moonlight"も前作から実に3年ぶりとなるリリースで、本作において彼らが「ロックバンド」として立派な成長(例えば演奏技術の向上や風格の表出)を遂げたのはもちろんのこと、メンタル面やソングライティング面においても飛躍的な成長を遂げて帰ってきた、そして本作はそんな彼らの圧倒的なクオリティを誇る見事な復帰作である。
前作がおもちゃ箱をひっくり返したような天真爛漫な作品なら、本作は妖美な大人の雰囲気が漂う落ち着きのある一枚だと言えるだろう。その理由に紅一点ボーカル、ミーガン・トーマスの歌声が舌足らずの幼い少女のような歌声から、セクシーな大人の女性のような歌声に変化したことが挙げられる。友達が「これ、歌ってるのってカレンO?」と間違えるほど、お腹の底からひねり出てくるような力強いミーガンのボーカルは彼女のたくましさや大人の女性としての魅力を存分に感じさせるだろう。また、前ドラマーのケン・ロブショウが脱退(パパさんになったから!)したことで全体的にドラミングがタイトになり、フットワークが軽快になったことは彼らが改めて「4ピースロックバンド」であることを実感させる。
他にもエレクトロニクスを大胆に導入したメリーゴーランドのようなトラックやThe Cureを彷彿とさせる清涼感溢れるギターポップトラック、ツアーを共にしたことがあるヴィヴィアンガールズのような疾走するギターサウンドが痛快なトラックなどなど、楽曲のバラエティの豊かさ、アイデアの多さも彼らがこの3年という長い期間で多くのことを学び、立派に成長したと感じさせる理由である。とは言っても、チャーミングでエキセントリックなハチャメチャポップサウンドやギタリスト、デイヴィッド・ミアットの変態オルタナギターサウンド(?)が炸裂するトラックももちろん健在で、前作のファンはついニヤリとさせられるだろう。例えば前作が「太陽の輝き」なら本作は差し詰め「月の輝き」なんて形容できるのかもしれない。雰囲気こそ妖しくなれど、その「輝き」は全く失っていないのである。
このバンドは大人になっても決して童心を忘れることなく笑顔で、自然体で、全力でロックしていてなんとも微笑ましい。・・・そういえば、前作から大のタントラム好きを公言するリリー・アレンさんは本作をもうお聴きになったのだろうか。まぁ、今はどうやらブルックリンのバンド、カルツにご執心の様だが(笑)