Mendelssohn: Paulus

Mendelssohn: Paulus

メンデルスゾーンが1836年に書いたオラトリオ『Paulus(聖パウロ)』は、その10年後に初演されてより広く知られることとなったオラトリオ『Elijah(エリア)』の陰に隠れてしまいがちだ。しかし、1996年にリリースされた本作は、合唱指揮者フィリップ・ヘレヴェッヘによる綿密なリサーチと音楽への純粋な情熱に基づいた丁寧な演奏によって、ついにこの隠れた名作に本来もたらされるべき栄光を与えたのだ。メンデルスゾーンは、ルター派のコラール「Wachet auf(目覚めよと呼ぶ声あり)」をロマン派らしい豊かなオーケストラ版にアレンジした序曲でスタートして、旧約聖書、新約聖書の言葉を引用しながら聖パウロのストーリーを語っていく。そしてこれらの歌詞を伴う音楽は、瞬時にリスナーの心をつかむ親しみやすさと洗練された雰囲気を併せ持つものだ。ヘレヴェッヘはこの知られざる傑作の優れた擁護者であり、聖パウロを見事に演じるバリトンのマティアス・ゲルネによるアリア「Gott, Sei Mir Gnädig」は、リスナーの胸に迫る重要な一場面となっている。他にもゲルネに負けず劣らず素晴らしいソプラノのメラニー・ディエナー、メゾソプラノのアンネッテ・マルケルト、テノールのジェイムス・テイラーといった豪華なソリストたちが、La Chapelle Royale、コレギウム・ヴォカーレ・ヘント、Orchestre des Champs-Elyséesの繊細で美しい演奏に支えられて、見事なパフォーマンスを披露している。

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