後に慈善活動家としても活躍の場を広げた香港出身のアイドル、アグネス・チャンによる日本デビューアルバム。1971年に歌手デビューし、翌年にシングル「ひなげしの花」で日本デビュー。印象的な力強い歌い出しが話題を呼び、つたない日本語ながら懸命に歌ういじらしさと、清楚なかわいらしさで一躍人気アイドルとなった。「ひなげしの花」は海外出身アーティストの売り上げ記録を40年間維持するロングヒットに成長した。そんな鮮烈なデビュー曲を含む全12曲は、彼女を見いだした平尾昌晃によるシングルカップリング曲「初恋」などオリジナル曲の他、「水色の恋」といったフォークのスタンダードナンバーをカバーするなど、魅惑的なハイトーンボイスがさえ渡る。一方で香港でのデビュー曲となった「サークル・ゲーム」やカーペンターズのカバーである「スーパースター」などの英語曲では、かわいいアイドルというだけではない、独自の世界観を持った力強さが感じられる。