20世紀初頭のアメリカ西部を舞台に、石油採掘の巡る男たちの欲望と思惑をサスペンスタッチで描いたポール・トーマス・アンダーソン監督作『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のサウンドトラック。レディオヘッドのメンバー、ジョニー・グリーンウッドが手掛けた。重厚なストリングスとメロディーが、不穏な雰囲気を醸し出す"Open Spaces"、ピアノと弦楽が、室内楽風の演奏で画面を彩る"Eat Him By His Own Light"など、オーケストラを全面に起用し、鋭いメロディーと弦楽器の低音の響きにこだわりながら、ロックミュージシャンらしい洗練されたスコアを書き上げた。また、"Henry Plainview"と"Proven Lands"は、以前に作曲した「Popcorn Superhet Receiver」というクラシック作品から引用されている。グリーンウッドはこの作品で高い評価を獲得。アンダーソン監督と多くの作品でタッグを組むなど、映画音楽作曲家としてのキャリアを本格的にスタートさせた。