京都出身の辻村豪文と友晴兄弟による2人組バンド、キセル。前作「magic hour」より2年5ヶ月ぶりというロング・スパンを置いて発表された7thアルバムが本作「凪」だ。ツアーにて1,000枚限定で販売されていたEPに収録されていた “夕凪” のリテイクも収録。もともとサウンド・テクスチャーやプロダクションに定評のあるキセルだが、本作のレコーディング・エンジニアには前作同様、内田直之(DRY&HEAVY)を迎え、生々しくも決めの細かいサウンドを実現している。さらにゲスト・ミュージシャンには SAKEROCK の伊藤大地、tico moon の吉野友加、そしてエマーソン北村が参加して見事なバンド・アンサンブルを披露している。楽曲面では、これまでの作品と比較して土着的とも言えるメロディやフォーキーなアレンジが増えてはいるが、エレクトロニック・ミュージックの影響をうかがわせる実験的なリズムも多数見られるようになっていて、和製 Animal Collective のようなとらえ方も可能な一面を見せ始めている。キセルの音楽的アイディアはまだまだ尽きることを知らないようだ。
キセルのその他の作品
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