「LP5」や「EP7」といった作品が Radiohead の「Kid A」「Amnesiac」に多大な影響を与えたことで、テクノ・ファンを飛び越え、一気にロック・ファンにまで知られる存在となった Autechre。その後の2人は「Confield」で複雑怪奇なサウンド・メイキングの果てに挑み、その後は身体性を取り戻すかのようなビート感の強い作品や、ライブ演奏をフィードバックするかのような肉体的な作品を立て続けにリリースしていた。そして前作から2年ぶりとなる10thアルバムであるこの「Oversteps」は、そのダンスに接近していく流れを汲みつつも、よりアンビエントなメロディの美しさに重きを置いた印象の作品に仕上がっている。しかし、ここ10年の Autechre のリリースとしては間違いなくもっとも聴きやすい1枚であり、「Amber」のような初期作品を連想する古くからのファンも多いであろう本作だが、音響的冒険心が失われたわけではないことにはぜひとも気をつけたい。。不規則なビートの向こう側、残響音のように聴こえるサウンドや、手に触れられるようなざらついたシンセなど、脳に直接音が響くような快楽性は健在だ。
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