パスピエ

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  • はじめての パスピエ

パスピエについて

ポップで、ロックで、洗練されているのに一筋縄ではいかない、それがパスピエのサウンドである。それだけにこのバンドの魅力は万人に伝わる性質のものではないかもしれないが、もし心に少しでも引っかかるならどこまでも引き込まれてしまう。そのぐらい強い吸引力がある音楽だ。こうした音楽の背景にはパスピエの成り立ちの特殊性がある。2009年の結成に当たっては、東京藝大でクラシック音楽を学ぶ成田ハネダ(Key)がポップスの演奏やバンドでの音楽に興味が湧いたことが契機になっている。歌声が印象的な大胡田なつき(Vo)は作詞やアートワークを担当し、また三澤勝洸(G)、露崎義邦(B)といったメンバーは音楽学校を卒業していて、演奏のスキルは初期から高かった。成田は印象主義のクラシック音楽と自身が関心を持つニューウェイブやテクノポップのサウンドを融合させることを念頭に、独自の音世界とバンドのスタイルを展開した。例えばアルバムタイトルを『演出家出演』(メジャーでの初アルバム)のように回文にしたり、写真やビデオでメンバーの素顔をはっきり見せなかったりと、聴き手をけむに巻くようなスタンスを貫いたのだ。ブレイクは2014年にリリースした「MATATABISTEP」前後の時期だが、この不可思議なスタンスに当初は戸惑うリスナーも多かった。そしてバンドはその波紋を広げるように快作を重ねていった。J-Popやロックはもちろん、シティポップ、さらには映画音楽の要素も見せるなど、音楽性の幅は広い。その上にユーモアやウィットが織り込まれ、変化球の楽曲が続く。それ故に、はまると二度と抜け出せなくなるほどの魔力がある。パスピエに似たバンドなど、どこにもいないだろう。

出身地
Tokyo, Japan
結成
2009年
ジャンル
J-Pop

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