ひこうき雲

ひこうき雲

荒井由実のデビューは、ポップ界隈だけでなく、日本の音楽界全体における衝撃だったことは想像に難くない。映像的な歌詞、都会的で洗練されたソングライティング、ビブラートを抑えた柔らかな歌声。高校生で作曲家の専属契約を果たした早熟の天才少女は、名匠、村井邦彦に説得されて、美大の2年生でこの大傑作を完成する。伸びやかな歌声の中に早逝した友人への想いを込めた"ひこうき雲"に始まり、切なくノスタルジックな響きを持った"ベルベット・イースター"、日本のシティポップの源流ともいえる"返事はいらない"など、みずみずしい楽曲が、松任谷正隆や細野晴臣らキャラメル・ママによるクールなバッキングで美しく彩られていく。当時、まだ歌うことに不慣れであったユーミンゆえに、一つ一つ言葉を選ぶようにしてつづっていくプリミティブな空気感があり、他の作品では見られない魅力を放っている。

荒井由実のその他の作品

国または地域を選択

アフリカ、中東、インド

アジア太平洋

ヨーロッパ

ラテンアメリカ、カリブ海地域

米国およびカナダ