Departure

HY
Departure

古くから日本本土と東アジア圏、そしてアメリカという多様な文化の合流地点であった沖縄から、こうした斬新な感覚のミクスチャー・ロック・バンドが出てきたのは自然なことなのかもしれない。2001年に発表したこのデビュー作で、 HY は日本の音楽シーンにフレッシュなインパクトをもたらした。その衝撃の中身はというと――まずこの時、メンバー5人全員がまだ10代だったこと。そして彼らがこの7曲でミクスチャー・ロックやラップといったストリート系の音楽をきわめて爽やかに解釈していることだ。新里英之と仲宗根泉という男女2名によるヴォーカルは素直かつ健やかで、都会発の音楽にありがちなシニカルさや屈折といった翳りが見られない。その優しく力強い歌に加え、じつにクリアーな言葉、メロディ。人気曲の "ocean" や冬の景色を唄った "ホワイトビーチ" など、海からイメージした歌があるあたりはやはり沖縄のバンドということか。名嘉 俊が若さゆえの勢いでラップするハード&ヘヴィな "革命" も聴きものだ。前編にわたってポジティヴなメッセージがあふれ、青い高揚が強く感じられる作品。このまっすぐな衝動の魅力は何物にも代えがたい。心洗われるような清冽さを味わってほしい。

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