思いきり気障な人生

思いきり気障な人生

昭和後期の歌謡界きってのシンガー “ジュリー” こと沢田研ニが最高に輝いていた時期のアルバム。 "勝手にしやがれ" "憎みきれないろくでなし" "サムライ" "さよならをいう気もない" とシングル・ヒットを4曲収録している。まさに彼が時代の寵児だった頃の作品で、オリジナル・アルバム中では最大のセールスを残すこととなった。全10曲の楽曲スタッフはすべてが作詞・阿久 悠、作曲・大野克夫、編曲・船山基紀という黄金のトリオで構成。唄い手の沢田は、さながら、そうした熟練の演出・脚本家たちによる映画の主役を演じているかのようだ。どの楽曲もドラマチックだが、年上の女性との甘く切ない恋であったり、微妙な関係を迎えた男女の別れ際を描いたような曲が多いのは、危うさを漂わせる29歳当時の沢田の魅力に依ったものだろう。ブラスやストリングスを使用した派手なアレンジに乗るその歌声には色艶があり、それでいてしなやか。ていねいで繊細な表現力も素晴らしい。彼のセクシーなたたずまいとトンガった感覚が絶妙なバランスで歌に還元されていた時代の逸品である。

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