2003年にデビューし、セカンドシングル "さくらんぼ" のヒットで一躍その名を知らしめたシンガーソングライター、大塚愛。同曲の明るくキュートなイメージが先行したが、初アルバムとなる本作では、憂いに満ちた表情やセンチメンタルな一面などさまざまな顔を見せ、等身大の姿を表現した。ピュアな恋心を伝えるラブソングはキャッチーで耳なじみがよく、三線を取り入れた沖縄民謡風の "桃ノ花ビラ" など遊び心あふれるアレンジも楽しめる。どこか虚無感を漂わせた "しゃぼん玉" から、大阪弁でラップする底抜けに明るい "石川大阪友好条約" へとつなげるギャップも聴きどころ。テンションを上げたり下げたりしながら、心のままに生きる女の子のエネルギーがアルバム全体に満ちている。