日本のヒップホップ・シーン黎明期の1990年代初頭に結成され、多くのアーティストを輩出して初期のシーンの礎となった ECD 主催のイベント「Check You Mic」に出場するなどして注目を集めた2MC + 1DJの3人組ユニット、キミドリが1993年に File Records からリリースした1stアルバム。後にグラフィック・デザイナーとしても活躍することになる Kuro-Ovi と、DJ / プロデューサーとしても活躍するクボタタケシという、後のシーンにさまざまな形で影響を与えることになる2人のラッパーによる、シリアスでありながらユーモラスさも併せ持つリリックと、ラフでファットなトラックのコンビネーションは、スチャダラパーや Tokyo No. 1 Soul Set らを擁した Little Bird Nation クルーの中でも異彩を放ち、独特の存在感を醸し出していた。後に Shakkazombie によって再演された "白いヤミの中" や、ECD や Little Bird Nation の四街道ネイチャーをフィーチャーしたポッセ・カットの "大きなお世話(Say What)" など聴きどころも多く、日本のヒップホップのクラシックと呼ぶことのできる1作だ。
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