作詞・松本隆と作曲・筒美京平という黄金コンビで制作されたデビューシングル"卒業"をリードソングに置いたファーストアルバム。1985年、彼女が18歳の時にリリースされた本作は、シンガーとしては初期段階ということで歌唱スタイルや方向性については手探り感を覚えるものの、透明感や純粋性はすでに独自の魅力を放っている。前述の"卒業"や玉置浩二作曲の2枚目のシングル"白い炎"、銀色夏生が作詞作曲を手掛けた"AXIA ~かなしいことり~" など、楽曲自体も粒ぞろい。さらに、当時新進気鋭の存在だった武部聡志が打ち込みを用いて構築した浮遊感のあるアレンジが絶妙の効果をもたらしている。シンガーとしての成長を見せていく前段階の、原石だったころのピュアな輝きが詰まった佳作。