「不安の時代」という標題の付いた、レナード・バーンスタイン作曲の交響曲第2番は、独奏ピアノを伴った協奏曲のような作風が特徴である。クリスチャン・ツィメルマンは同作品を作曲者本人と共演している稀有なピアニスト。彼は1980年代に指揮者としてのバーンスタインと度々共演しており、そこでの貴重な経験は現在までに至る活躍に生かされている。交響曲第2番はW.H.オーデンの詩にインスパイアされて作曲したといわれ、ツィメルマンはこの強く感情に訴える作品をしっかりと受け止め、深みと輝きのある演奏を繰り広げている。ラトルとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が音楽にさらなる深みと美しい彩りを加え、その演奏が極上の音質でレコーディングされている点にも注目したい。
- 1999年
- 1988年
- 2003年
- 1998年
- 1982年
- 2005年