スマッシュ・ヒットとなったコラボ・シングル "キャンプファイヤ" を含むメジャー第2弾アルバム。ケツメイシの RYO 、アルファの TSUBOI 、そして YAIKO (矢井田瞳)が参加した先の曲は友情をコンセプトにしたポップなミディアム・バラードで、そのフレンドリーなメロディの感覚に魅了されたリスナーも多いだろう。しかし369自身はオールバックに黒縁メガネというルックス通り、かなりオタクな志向の持ち主。ライヴではタオルを振ってオーディエンスを煽り、過去にケツメイシの楽曲に参加した経歴もあるものの、この人が持つラップ/ヒップホップの感性はずいぶんオルタネイティヴなのだ。たとえばシングルにもなった "行かなくちゃ" "帰り道" などはエレクトロニクスを大胆に使用しており、その源流はアメリカのヒップホップではなく、むしろフレンチ・テクノ。こうしたはぐれ者のようなナード感こそ彼の個性であり、その稀有な存在感こそこの人が面白がられている要因だろう。ただ、アグレッシヴさの反面、 "ひかり" "美しい世界" "オレンジ" などで見せるセンシティヴな人間味もまた369ならではの世界。このアルバムでは、彼のそうした複合的な要素を絡ませて、独自の味わいに結実させている。
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