Brand Nubian のメンバーとして、黄金時代と言われることの多い1980年代末から1990年代の中ごろのヒップホップ・シーンを支えたアーティストとして知られる Grand Puba が、2009年にリリースしたソロとしては4枚目となるアルバム。Brand Nubian の朋友 Lord Jammar と Sadat X をはじめとして、Q-Tip、Large Professor、Kid Kapri など、ヒップホップ・ファンなら無視できない豪華なゲストが参加していて、Q-Tip のプロデュースによるミニマルなビートが印象的な "Good to Go" や、Large Professor プロデュースのメロウな "Same Old Drama"、Kid Kapri が参加したコミカルなビートの "This Joint Right Here"、女性ボーカリストの Tiffini Davis をフィーチャーした "It Is What It Is" など、聴きどころは豊富。時にソウルフルに、時にコミカルに、時にレイジーに、独特の存在感を押し付けがましくなく表現するスタイルは健在で、バラエティに富んでいながらも、全体として煩雑な印象を与えることなく聴かせるあたりはさすがにベテランといった印象だ。