時のないホテル

時のないホテル

イギリスの老舗ホテルで撮影された印象的なジャケットが示す通り、これまでのアメリカ西海岸への憧憬ではなく、近代ヨーロッパの退廃的な空気をまとった内省的な作品。モチーフがそのまま個人の心象風景を表しているわけではないのはユーミンの作品にはよく見られることだが、それでも白血病や睡眠薬による自殺など、重たいテーマを緊迫感のある旋律で描き出すのは、何かしらの想いがあってのことだろう。10ccを想起させる複雑な構成とサウンドエフェクトが味わい深い"時のないホテル"や、美しいストリングスやブラスアレンジが映像的な世界を演出する長尺の名品"コンパートメント"、自死というものに対峙して書き上げられたシンプルな佳曲"水の影"など、じっくりと聴きたい楽曲が並ぶ。今も人気の高い"セシルの週末"や"ためらい"も収録するなど、パブリックイメージとは異なるユーミンの姿を支持するコアなファンも多い。

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