2007年にミニ・アルバム「INLY」でデビューした小山絵里奈。J-WAVE「RADIO SAKAMOTO」のオーディションに応募されたデモ・テープを聴き、その才能に驚愕した坂本龍一がプロの道へ誘ったという逸話を持つ。デビューから半年後には1stアルバム「VIVIDROP」を発表、その存在は大きく知られるところとなった。なにしろ彼女は、作詞・作曲・編曲はもちろん、トラック制作からボーカル・レコーディングまですべてを1人で手がけるという。風変わりでかわいらしく、繊細な音の絡み合いが力強いグルーブを生む、極上のエレクトロニック・ミュージックである。そして待望の2ndアルバム「NOMMO」をリリース。斬新でいて普遍的な響きは、1981年にYMOが作り上げた名作「テクノデリック」を想起させる。かつてYMOが蒔いた種は、かくもキュートに進化したのだ。本作は、Web上に寄せられたファンの声をもとに楽曲を育てようというプロジェクト”GROWING DROPS”で作られた楽曲を中心に構成されている。ネットを介した有機的なつながりもまた、生き生きとした電子音を操る彼女らしいスタイルと言えるだろう。