メジャー・デビューを飾った前作「DANCE FLOOR MONSTERS」からおよそ1年、ひと皮むけた telephones の姿がここにはある。彼らといえばひたすらアッパーな、押しまくるディスコ/ポスト・パンク・サウンドが代名詞で、このアルバムでも “A.B.C.DISCO” がそうした側面を引き継いではいるが、全体としては「これが俺たちの本当の姿だよ」とでも言わんばかりに過去のイメージを翻し、じつに自由なサウンドを展開しているのだ。その変化の間にあったEPのうちの1枚(「A.B.C.D.e.p.」)で大きな力を発揮していた iLL が本作のうちの8曲をプロデュース。そんな作用もあって、ここでは telephones の隠れていたポップ性ややわらかなセンスが提示されている。“SAITAMA DANCE MIRROR BALLERS!!!”、“MyFinalFantasy” のようなミディアム・テンポのロック・ナンバーに代表される、大きくてジェントルなスケール感。新時代の到来を祝う “2010” の明るく開けた雰囲気。音も歌詞もストレートな “I Wanna Die” にしても、ポジティヴなエモーションが突き抜けた曲だと言える。タイトルにもあるように愛や幸福を真っ向から唄った曲が見られるなど、新段階に入ったバンドの像が堪能できるアルバム。その高ぶりが作品そのものの高揚したテンションにつながっている。
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