デビュー以来、Palace Brothers、Palace Musicなど複数のプロジェクト名を使い分けてきたWill Oldhamが、初めてボニー・プリンス・ビリー名義で発表したアルバム。本作発表の翌年である2000年にカントリーの大御所ジョニー・キャッシュが、当のWill Oldhamをバックヴォーカルとして招き、本作の表題曲をカバーしたことも話題を呼んだ。Oldhamが現代アメリカを代表するシンガーソングライターとして大きな名声を得るきっかけとなった一枚でもある。必要最低限な楽器編成ながら、曲によってピアノやオルガン、ホーン、ストリングスなどを配し、Will Oldham印のほの暗いメロディを淡くサポート。オープニングの"A Minor Place"や名曲"I See a Darkness"に浮かぶ訥々(とつとつ)とした歌い口と滋味深い歌詞がゆっくりリスナーの耳に染み入っていく。
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