オハナ百景

オハナ百景

ポラリスのオオヤユウスケ、クラムボンの原田郁子、ハナレグミの永積タカシの3人という、それぞれのバンドでもサポートし合う仲で結成されたグループ。語源は、オオヤの「オ」、原田の「ハ」、永積の「ナ」でもあり、ハワイ語で「家族」と言う意味の単語でもあるというダブルミーニング。全員がヴォーカリストという珍しいユニットだけあって、ただでさえ個性あふれる歌声が合体したさまは壮観としかいいようがない。内容のほうは、ゴスペル調で幕を開けるカントリーロック "shake your hands"、賛美歌 "慈しみ深き" を下敷きにした "ヒライテル"、オハナ流レゲエ "オハナレゲエ"、ジャマイカンフォークミュージック風ラモーンズカバーの "I wanna be sedated"、ニューオリンズ風ファンク "ohana song"、アーリージャズヴォーカル "くすりのくすり" など、レゲエ、ジャズ、ファンク、カントリーなど、古今東西のリズムとメロディを軽やかに借用しつつオリジナルな世界へと発展させていくさまは、ハナレグミがそのファーストアルバムで見せた手法に近いともいえる。また本作は、ただの個性のぶつかり合いになりがちな「コラボ」アルバムとはまったく趣きを異にするもので、そこにインスタントな響きはまるでない。歌うことの喜びを知る者が、われわれにも共に歌うことをうながす、太陽のようなアルバムだ。

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