THE YELLOW MONKEY 解散後、ソロ・アーティストとして活動しながら自身の音楽世界を深化させ続けている吉井和哉。6枚目となるフル・アルバムは、ソロ転向後初めてとなる国内レコーディングを敢行し、ほぼすべての楽器の演奏を吉井自身が務めたという極めてパーソナルな作品だ。印象的なコーラスを持った疾走感あふれるロック・ナンバー “VS”、歌謡曲のような雰囲気のディープなバラード曲 “おじぎ草”、アルバム先行シングルとなったメロウなミディアム・ナンバー “LOVE&PEACE” と、吉井らしい華やかさと優しさを兼ね備えたロック・ナンバーがズラリと並ぶ。中でも圧巻なのは、アルバムのラストを飾る壮大なメロディを持ったミディアム・バラード “FLOWER” だ。この曲に象徴されるように、今の自分の姿を肯定し、突き進もうとするポジティブな吉井の内面が楽曲に投影されたことで、パッと見の派手さよりも、楽曲としての奥行きや味わい深さを増した作品となっている。何度となく聴き返したくなる作品であり、吉井和哉のソロ活動の集大成とも言える金字塔的アルバムだ。