3年半ぶりとなる、通算6作目のフルアルバムはMAN WITH A MISSIONのポジティブなモードを反映した内容となった。バンドにとって起爆剤となったのはテレビドラマの主題歌に起用された「Remember Me」（2019年）で、この美しいメロディとポップな聴き応えによって、より多くのリスナーへのアピールに成功。それもあってか、シングルナンバーを6曲も収録した本アルバムはじつに風通しがいい。もちろんこのバンドらしい洋楽ロックの要素もしっかりと盛り込まれており、例えばAC/DCの「Thunderstruck」のカバーはデジタルビートによって新たに解釈されている。「Break and Cross the Walls」や最後の「Anonymous」では、ロックに身をささげるオオカミたちが揺れる胸の内を明かすとともに希望を歌う。なお、当初のダブルアルバムという構想が変更となったため、本作の続編『Break and Cross the Walls Ⅱ』がすでに控えているという。