telegraph

telegraph

「ファーストアルバムは、Kroiにとってスタート地点となるアルバムだったので、自分たちのルーツを強めに打ち出した作品。今回のアルバムは前作のルーツ感とはまた別の新しい要素をどんどん取り入れた作品になったのかな」。前作『LENS』に続くセカンドアルバム『telegraph』について、5人組バンド、Kroiのベーシストである関将典はApple Musicに語る。ボーカル/ギターの内田怜央はこう続ける。「オリジナルな音楽を作っていきたいと思いつつ、今の時代、完全にオリジナルな音楽が成立し難いのも事実。そういう認識の下、我々は自分たちが影響を受けた音楽や好きな音楽をミックスして新たなものを作るということをずっとやってきたんです。その過程でメンバーそれぞれが持ち寄った要素が入り乱れることで、自分たちでも“この曲のジャンルは何なんだろう”という曲が生まれる。その瞬間の気持ち良さを味わいたくて、音楽をやっているのかもしれませんね」 その言葉の通り、ファンクを軸に、ヒップホップ、ロック、ソウル、フュージョンなど、多彩な音楽の融合を実践するKroi。本作では、アルバム冒頭の“テレグラフ”をイメージさせるモールス信号のような音に続いて始まる「Drippin' Desert」からして、変幻自在にジャンルを横断している。フュージョン風のロックなイントロで始まったかと思えば、いつの間にかファンキーなラップと陽気なメロディが交錯し、まさにジャンルレスな音楽が展開される。さらには、夏らしい爽快感をたたえた「熱海」では、既存の音楽やバンドに対するイメージを鮮やかに塗り替える彼らのオルタナティブなスタンスが浮き彫りになっているが、関はこの曲についてこう説明する。「『熱海』は自分たちの今までの作品へのカウンターとして、何も考えず、ただ熱海について表現するためだけに書くということを実験的に実践してみた曲ですね」 アルバムには、歌が主体のJ-Popへのカウンターとして、「banana」「Go through」といったインストゥルメンタルの楽曲も収録。そうしたプレイヤーとしての技量を見せつける一方で、メロディメイクには、リフレインによって感情を高めていく洋楽的な発想から、抑揚に富んだJ-Pop的なアプローチまで見て取れる。それらによって、内田の描く歌詞は今まで以上に躍動し、その表現世界は大きく広がっている。「音楽を長く続けるのは大前提として、その過程で『行けるところまで行きたいよね』とメンバー間でずっと話しているんです。結成当初から言ってる具体的な目標だと、月でのライブ。それぐらいぶっ飛んだことを成し遂げられるようなアーティストになりたいですね」と関は言う。セカンドアルバム『telegraph』に収録された、遊び心あふれる音楽的アイデアがちりばめられたユニークな楽曲の数々。このバンドのスケールはどうやらとてつもなく大きそうだ。

国または地域を選択

アフリカ、中東、インド

アジア太平洋

ヨーロッパ

ラテンアメリカ、カリブ海地域

米国およびカナダ