OVER

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「自分をしっかり超えながら、一歩、二歩と踏み込んだ作品が作れたらと考えていました」。2017年の『HIT』以来、約7年ぶりとなるアルバム『OVER』について、三浦大知はApple Musicに語る。タイトルには自分自身を超える(OVER)という意志と、さまざまな垣根を超えるという気概が込められた。「初めて組む音楽プロデューサーやフィーチャリングアーティストの方とも一緒に楽曲を作りたい。いろんな人とつながった楽曲が集まるアルバムになればという思いがありました」 三浦は今回初のコラボレーションが実現したFurui Rihoと語り合う中で、改めて気付いたことがあると言う。「Furuiさんと何がクリエイティブを続けるモチベーションになっているのかという話になった時、『好きなだけなんだよな』と思って。この方法で曲を作ってみたいとか、ライブでこんなことをしたいと思うのは結局、音楽とダンス、エンターテインメントが好きだからなんです」。その純粋な思いが「好きなだけ」という楽曲につながった。 「ずっと『好きなだけ』を突き詰めてやらせていただけているこの環境に本当に感謝しています。なので周りのスタッフさんや一緒に踊ってくれるダンサー、演奏してくれるバンド、そして何より僕のやることを面白がって応援してくださる皆さんに向けて、自分自身が面白いと思うことを妥協せずに作り続けたい」。真っすぐな目でそう語る彼に、ここからいくつかの楽曲を解説してもらおう。 Pixelated World この曲を作ってくださったNaoさん(Nao'ymt)は、三浦大知という存在を語る上で必要不可欠な方です。僕が新たに動き始める時、Naoさんはいつも三浦大知が歌うべき世界観を提示してくれる。そして自分はそこに表現者として入っていくというチャレンジをさせてもらっています。この曲のデモを聴いた時、すごく“今”を歌っていると感じました。自分の魂はピクセル化されない、自分の心や信念は決して削られないんだという覚悟を感じる曲なので、1曲目に置くべきだろうと考えました。 能動 能動的に動くということ、それは自己との闘いだと思います。人間は誰しも弱さを持ち合わせていて、迷ったり怠けたりする。それをゼロにするのは無理だと思うんです。だからこそ、それも全部引き連れて能動的に動いていこうと伝えたかった。「丸いまま鋭く尖ろう」という歌詞を書いた時、これはすごく三浦大知チームを表現しているなと思いました。 全開 (feat. KREVA) 前の2曲はシングルとして発表していたので、この曲が実質的なアルバムの1曲目みたいな感じで、そこでいきなりKREVAさんのラップが聞こえることにとても意味があると思います。トラックメイカーのXanseiさんが作ってくださったトラックを聴いた時に、KREVAさんがとんでもないラップをガツンとかましている映像が一瞬で浮かんだのでオファーさせていただきました。歌詞を書いている頃にちょうどKREVAさんのツアーに行かせていただき、そのライブでKREVAさんは目の前で今できることを全部やってくれたと感じて、すごく感動したんです。そこからKREVAさんといろいろ話して、自分たちに共通するのは“今この瞬間全開になる、出し惜しみしない”ところかもねという話になり、そこに向かってお互いに歌詞を書きました。 Light Speed 日本語の歌詞は1行だけで、他の部分は全て英語詞に挑戦しました。楽曲を作ってくれたウィル・ジェイがデモの段階でこの歌詞を付けてくれて、それが最近自分ではなかなか書かないラブソングだったので、そのまま歌ったら面白いんじゃないかなと思ったんです。最近は音楽の聴かれ方として言語の壁がなくなってきたと感じるので、それも英語詞を歌う一つのきっかけでした。 Sheep 夢と現実のはざまを漂うような感覚の曲なので、言葉の輪郭がはっきりし過ぎない歌い方ができたらと思っていました。プロデューサーのUTAさんとまずは全編ファルセットで歌うアイデアを出して、そこから歌詞に取りかかりました。その制作中、少し疲れたなと思って寝室に向かったら、掛け布団が掛かったベッドが羊みたいに見えたんです。それがかわいいなと思ったのと同時に、この羊はいつもこの寝室にいて、どんな日もこの寝室で待っていてくれると思ったら、すごく救われた気持ちになった。だからこの曲も、みなさんが体を預けたくなるベッドのような作品になったらいいなと思って書きました。 Everything I Am (feat. Furui Riho) 1曲目の「Pixelated World」につながる曲。自分にとって大切なもの、その価値は自分自身で決めるんだと歌っています。そして最後に「大切なものは何?」と問いかけて、覚悟を込めた「Pixelated World」に戻っていく流れになっています。コラボレーションしたFuruiさんはとても愛のある方で、物腰が柔らかく、その上で覚悟と自信を持ってもの作りをされている方。僕はずっとFuruiさんのいちファンで、今回制作の場で初めてお会いしたのですが、初めてとは思えないほどシンパシーを感じ、一緒に制作していてすごく心地よかったです。

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