サンシャイン

サンシャイン

すべての点で風通しのいい作品である。本作の制作前に會田茂一 (FOE、HONESTY) が加入、6人バンドとなった時点で新たな化学反応が期待されたものだが、そこで彼らはさらに外部の血を導入。アルバムでは曲単位のプロデューサーとして土屋昌巳(“青空”、“テキーラ!テキーラ!”、“三日月”)、奥田民生(“サンシャイン”、“オニオン・ソング”)を招き、さらにゲスト・ドラマーにユニコーンの川西幸一(“3.2.1.0”)とRIZEの金子ノブアキ(“ペインキラー”)を迎えているのだ。“オニオン・ソング” に至ってはフィリポとコテイスイが初めてメイン・ヴォーカルを務めるなど、スタンスがきわめて奔放。こうした試みは、結果としてバンドの今までのスタイルから脱却し、より軽やかな感覚での音作りを実現させている。とくにヴォーカル・須藤寿による今作の楽曲は、どこか心を解き放ったかのようなものが多く、そういったサウンドが作風に非常にマッチしているのだ。これまでの彼らはギミックの要素が先行しがちだったが、ここでは変化球に頼ることなく、ふっとした時にこぼれ落ちたリリカルな感情を堂々とメロディに乗せている。前作「D.I.Y.H.i.G.E.」までの怒涛のポップ性の残像はありながら、その歌心をより押し進めた充実の一枚だ。

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