寺山修司の戯曲から拝借したというバンド名を冠したアルバムでメジャー・デビューを飾った毛皮のマリーズ。5thアルバムである本作「ティン・パン・アレイ」の最大の特徴は、なんといってもインディーズ時代の予算では不可能だった志磨遼平のイマジネーションを最大限に描き切るべく、多数のゲスト・ミュージシャンの招聘を行い(驚くべきことにベーシック・トラック以外はバンド・メンバーはほぼノータッチだという)、“東京” をモチーフとしたコンセプト・アルバムとして制作されたという点に尽きるだろう。それまでのグラム・ロックを下敷きとしたバンド・サウンドというフォーマットを取っ払い、キャバレー・ミュージックと中期ビートルズが融合したかのような “さよならベイビー.ブルー”、Creedence Clearwater Revival を連想せずにいられない “おっさん On The Corner”、フィル・スペクター風なウォール・オブ・サウンドと中央線モチーフの出会いである “C列車でいこう” などの多用な音楽が次々と繰り出される本作は、まさしくサーカスのような極めてエンターテインな作品だ。
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